新生児・乳児消化管アレルギー(新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症)
概要
原因食品を食べて数時間後に嘔吐、血便、下痢といった腹部症状のみが出て、体重の増加が悪くなったりします。通常の食物アレルギーとは異なり、血液検査で食物に対するIgEが検出されないことが多く、皮膚反応も陰性のことが多い特殊な食物アレルギーです。比較的新しい病気の概念です。症状
通常の食物アレルギーと異なり、原因食物を摂取してから数時間、中には数日してから症状が出ます。蕁麻疹などの皮膚症状はみられず、嘔吐や下痢症状がみられます。おう吐を繰り返して、ぐったりし、ショックになることもあります。はっきりとしたお腹の症状がなく体重の増加不良だけの場合もあります。原因
新生児期や乳児期早期は粉ミルクなどの乳製品が多いです。乳幼児や成人では、卵や小麦、米、大豆、魚介類が原因となることもあります診断
問診からこの病気を疑い、原因と考えられる食物を除去し、症状の改善を確認します。症状が安定した後に、食物経口負荷試験を行い、症状が誘発されることを確認します。便中の好酸球を調べる事も診断補助になります。新生児の場合、生まれつきの消化管奇形や腸管の感染症を除外するための検査が必要になることがあります。治療
原因食物の除去が必要です。新生児・乳児期早期で牛乳が原因の場合は、牛乳アレルギー用の特殊ミルクかアミノ酸乳を使用します。多くの場合、3歳くらいまでに自然に治ります。しかし、新生児・乳児期早期で牛乳以外が原因の場合や、乳幼児期以降に発症した場合には、治るまでにより長期間かかる傾向があります。間違えて原因食物を食べて、嘔吐を繰り返してぐったりする場合には、アドレナリン自己注射には効果は期待できず、点滴が必要です。