アレルギーQ&A

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花粉症

概要

アレルギー反応による鼻や目の症状が、花粉を原因として引き起こされる疾患です。特定の季節に植物の花粉が鼻腔内へ入ってきた時に生じる、季節性アレルギー性鼻炎です。現在、国民の3人に1人が何らかの花粉症にかかっており、年々増加傾向にあります。

症状

特徴的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。水っぽい透明な鼻水であることが多いです。加えて、眼の症状(かゆみ、充血、涙)を伴います。この他にも、体のだるさや、熱っぽい症状がでることもあります。
また、ある特定の花粉症を持っている人は、果物や野菜を食べると口がかゆくなったり腫れたりすることがあります。これを口腔アレルギー症候群と言います。

原因

様々な植物が花粉症を引き起こします。春のスギ、ヒノキ、秋のブタクサが有名ですが、その他にも、カモガヤ、ヨモギ、オオアワガエリ、ハンノキ、シラカンバなどがあります。花粉の飛散時期によって発症する季節が異なります。
口腔アレルギー症候群では、その花粉と似たタンパク質を持つ果物を食べた場合に口腔症状がでます(これを交差反応と言います)。例えば、シラカンバやハンノキ花粉症の人はバラ科果物(リンゴ、モモ、サクランボなど)、イネ科花粉(オオアワガエリ、カモガヤ)はウリ科果物(メロン、スイカなど)と交差反応を示すことが知られています。

診断

まず問診で鼻や目の症状、生じる時期や頻度などを確認してから、鼻腔内を診察します。花粉症の所見があれば、原因植物を同定するために、血液検査(特異的IgE抗体測定)を行います。また、花粉を入れて、鼻の反応をみる鼻粘膜誘発テストや皮膚の反応をみるプリックテストを行うこともあります。

治療

原因となる花粉を避けることが重要です。花粉飛散時期には窓を開けない、布団を外に干さない、外出時にはマスクを着用する、といったことが挙げられます。薬物治療には、内服薬や点鼻薬があります。症状や重症度に応じて、薬を組み合わせて治療を行います。アレルゲン免疫治療(減感作療法)は、花粉症の改善が長期的に期待できる治療です。特に、薬を舌の下に入れる舌下免疫療法が注目されており、国内ではスギ花粉症に対して治療を受けることができます。
口腔アレルギー症候群の場合は原因食物の摂取を避ける必要があります。果物をよく加熱することで摂取可能になることもあります。しかし、加熱してもアナフィラキシーをおこすタイプもあるので注意が必要です。