アレルギーQ&A

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好酸球性副鼻腔炎

概要

鼻腔および副鼻腔の粘膜が浮腫性に腫脹し鼻茸が形成される疾患です。気管支喘息を伴う事が多いのが特徴で、蓄膿症として知られる慢性副鼻腔炎が細菌感染による膿汁の貯留が疾患の主体であるのに対し、本疾患はアレルギー反応が原因であるといわれています。成人に発症し近年増加傾向にある非常に難治性の疾患です。

症状

鼻茸の充満による鼻閉、目の痛み、頭痛、頭重感を始め、高度の嗅覚障害が認められます。嗅覚障害は鼻閉によるものではなく嗅細胞が直接障害を受けるため非常に難治性です。粘稠性の鼻汁が特徴で気管支喘息、好酸球性中耳炎を合併する場合は治療がより困難になります。

原因

詳しい原因は解明されていませんが、遺伝的な素因に加え、環境の変化や食生活の欧米化による何らかのアレルギー反応の増加が関係していると言われています。同じ鼻のアレルギー疾患の花粉症とは異なり、ダニ、ホコリ、花粉などで症状が悪化することはありません。気管支喘息との合併が多く本疾患とはお互いに影響し合う事が知られています。

診断

従来の慢性副鼻腔炎(蓄膿症)との区別、重症度の判定を行います。耳鼻咽喉科専門医による鼻内の内視鏡検査、副鼻腔のCT、血液検査をはじめ、確定診断には鼻粘膜の組織生検による粘膜中の好酸球数の確認が必要です。

治療

現時点ではステロイドの外用または内服治療と内視鏡を用いた手術治療が基本になります。現在重症度に応じた治療のガイドラインが作成中ですが、重症型は再発することも多く症例に応じた対処が必要です。現時点ではまた適応にはなっていませんがアレルギー反応を特異的に阻害する注射薬の研究も行われており今後の適応に期待されます。